RIKI DENTAL

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〜リキデンタルオフィス フィロソフィー〜

〜歯科医療とは〜  

医療現場において、内覧会開催、クリスマス・バレンタインなどに乗じた
イベントの開催を行い増患、集客を目的としたものは
医療の本質ではない所為であります。
これらは医療が「患者」を診るという捉え方でなく、「集客」を目的とした
経営主体の考え方であり、医療の質と何ら関係しない事実があります。
この傾向を本来の医療の姿に修正するためには、医療行為を受ける患者さんたちが
医療のあるべき姿を正しく理解し、惑わされないようにしなければ、
いつまでも『患者』でなく、経営者に「お客様・患者様」として扱われてしまいます。

そのため、まずはじめに
歯科医療は聖職の一つであることを医療者も患者も理解しなければなりません。

そして、

T 歯科医療は『技術』が評価される職業でなければならない。

患者さん達は、この技術を正しく理解することが望まれます。
このためには医療従事者は、個々の患者のニーズにマッチした
医療を提供し、その治療行為において、患者が満足し納得できる
“結果”をもたらすことが重要な責務であります。

よい医療を求めて医院選びを行う選択基準とは
感染防止のため、無菌にどれだけの設備や留意している等という
医療現場では当然の事を、今さら強調し掲げている事や
綺麗な外観の医院、応対が非常に丁寧だとかは
二の次の問題であることを忘れてはなりません。
我々医療人のおごりたかぶることなく、常に深く学と術を研鑽し
日々の臨床に切磋琢磨する姿勢こそが、先に述べた
『患者さんの満足できる結果』へとたどりつくのであります。

U 医療行為は患者にとって無害であって有益であること

患者の主訴を改善さすことは当然とし、歯科医は個々の患者にとって最善で
最適な治療はどうしていくべきか熟慮しなければなりません。
たとえば保険外診療(自由診療)を患者が希望された場合でも、高額な医療
行為が、その時点で本当に最適で最善なのか判断するべきなのです。

V 補綴・保存修復治療では終了直後のみが最高の状態

これは歯科医、患者双方が十分に理解しなければならない問題です。
たった一本の歯に手を加える事でも、口腔内を一単位で捉えた
歯科治療行為でも、後々『再介入』が必要になることが多いです。つまり
歯科治療における義歯、かぶせ物、詰め物は保険・自由診療どちらで
処置するにもかかわらず、永久にもつものは存在しません。

治療終了直後のみが最高の状態にすぎなく、その後の状態は下降線
(材質の劣化や偶発的破損など)をたどっていくのです。
この『下降線をいかに抑える治療』と『いかに再介入量を減らすこと』が
その時点の治療で理解して行えるかが、
歯科治療における重要なトピックスであります。
このことは日進月歩の医学における、最新の材料、最新の器材器具で
カバーできるものではなく、学術根拠に基づいた治療行為そのもので
大きく左右されるのです。
                         2005年4月 記
                   
W ベーシックこそアドバンス・基本治療を徹底する

2011年に私は「ベーシックこそアドバンス」であると
歯科界に提唱を行ってきました。これは現在でも確固たる信念です。
どんなアカデミックな治療を行うよりも、基本に忠実な手技を
行うことは歯科医療において最も効果的であると考えます。
基本を忠実に行う手技には確実性がありますが、
それを実直に続けることほど困難なものはありません。
この困難に真摯に向き合うことを自身の終わりのない課題としています。


X 総合歯科治療の実践 ・インプラントは最後の手段

開業医にとって、得意な分野、専門分野を掲げることは、見方をかえれば
他の分野のスキルが低いことを意味します。
歯科のすべての分野において、どれだけでも高い水準の技術と知識をもって
トータルに治療を行っていくことが総合歯科治療に必要なことです。
そして理想治療を追い求めるのでなく、個々の患者さんの生活背景、経済的背景も
考慮しながら、それぞれの患者さんが最も欲していること、悩んでいること を
最優先に考えた治療を行うことが大切と考えております。

当院はインプラント学において多くの研鑽を積んでおりますが、インプラント治療を
積極的に勧めてはおりません。インプラントはあくまで治療のオプションの一つです。
インプラントの一番の問題は高額な治療費です。 そのため、治療上インプラントが
必要とされた時、少しでも患者の費用負担が軽減されるよう配慮し、かつ力学的
構造学的に十分に機能を発揮できるような設計をすることも 歯科治療に必要な
優しさです。


Y 歯科治療は正常な顎機能の環境で行うもの

当院には慢性的な頭痛や頭蓋周辺の痛みなどの不定愁訴をもつ患者さんや
咬合違和感や顎関節症(顎機能障害)に悩まれている方々が
歯科、医科、整形等からの紹介で受診されております。
このように顕在的に症状をもっておられる方もいれば、
潜在的に顎機能障害を患っている方も多い事実があります。潜在的な場合、
例えばある時、歯科治療を受けたときから、あるいは全身的要因などから、
突然、顎関節症様の症状に悩まされることがあります。

当院では、顎機能障害が顕在的にある事例や
口腔内の所見から潜在的に存在する疑いがある口腔内に対しては
例外なくその原因が歯科にあるか否かの鑑別診断を行います。
歯科的要因が存在する場合は、原因除去を行うことを最優先に行っています。
生理的に安定した顎運動機能下で、その状態を維持する咬合のもと
問題点のある箇所のみに治療を行っていきます。


 オフィスの臨床例

  【 症例:初診時55歳男性  主訴:歯が浮いて痛い 】
           初診時口腔内所見とレントゲン
 
  初診時左下第二大臼歯の著しい動揺がみられ保存不可能だったため
  抜歯処置を行いました。他部の歯も問題を抱えていたため、基本治療を
  進めながら全顎的な咬合治療を行いました。  
           治療後口腔内所見とレントゲン

  基本治療(歯周治療とカリエス治療)以外に行ったことは、
  保存不可能であった右下第一大臼歯部は、右上の親知らずの
  移植を行い、左下第二大臼歯部は左上の親知らずの移植を行いました。
  左上の第二小臼歯は挺出処置を行っております。全顎的な矯正治療は
  必要がないと判断しております。左下第二大臼歯の補綴は自由診療で
  行いましたが、それ以外はすべて保険診療で行いました。
  治療後1年経過で、非常に口腔内清掃状態はよく、咬合も安定しており
  患者さんからは高い満足を得られております。

 【 症例:初診時46歳女性 主訴:前歯がぐらついて痛い 】
        初診時口腔内写真とレントゲン


  初診時、上の前歯の動揺を伴う転位と排膿が見られた事例です。
  全顎的に中程度〜重度の歯周疾患を患っている状態でありました。
  予知性を考えた場合、何本の歯が保存できるであろうかという
  口腔内所見でしたが、徹底した基本治療を行い歯の温存にこだわりました。

         治療後の口腔内写真とレントゲン

  患者さんもブラッシングの意識が高くなったこともあり、
  歯周環境は改善され、治療後12年経過(2021年)しておりますが
  一本の歯も喪失しておらず良好な経過を呈しております。(全て保険診療)



 
【 症例:初診時41歳女性 主訴:先生の見解をききたい 】
        初診時口腔内写真とレントゲン

患者さんはセカンドオピニオンで受診されました。咬合治療が20年間
終わらないということでありました。診査を行い、現状の問題点と
原因として考えられることについて当院の見解をお話したところ、当院での治療を
希望されたため、顎位の改善と咬合治療を約1年間行いました。

         治療後の口腔内写真とレントゲン

治療後8年経過(2021年)しておりますが、2018年に左下第一大臼歯が
偶発症により根破折を起こしたため同部はインプラント補綴にて介入処置しております。
経年的には顎口腔機能は非常に安定した状態であります。

 
【 症例:初診時50歳女性 主訴:悪いところをちゃんと治したい 】
       
初診時口腔内写真とレントゲン
 
 
多数歯に渡る重度のカリエスと中程度〜重度の歯周疾患に罹患した口腔内。
 保存不可能な歯は抜歯しましたが、保存できそうな歯は徹底した基本治療を
 行いました。患者さんは綺麗になるならすべて自由診療で行ってもよいと
 お話されていましたが、口腔内の状態を考えたとき、
 その時点で高額な治療を行うことは好ましくないことを説明し、
 インプラント補綴のみ自由診療で行いました。

           治療後の口腔内写真とレントゲン


 
上顎臼歯部にインプラント補綴を行いましたが、この設計は将来的に
 上顎前歯部を喪失したときに、臼歯部のインプラントを利用した補綴に変更できる
 ことを考えた設計としています。下顎大臼歯はレジン充填で対応しています。
 予後は12年経過(2021年)で、安定した口腔内であり、喪失している歯はありません。


 【 症例:73歳女性  主訴:上顎の部分義歯の安定が悪い 】
   
        初診時口腔内とパノラマレントゲン
   
   
  
 
上顎において残存歯が片側に3本しかない場合、保険義歯ではこのような設計の
 義歯になります。しかし、欠損部顎堤の状態を考えると十分な安定はのぞめません。
 オーバーデンチャーにしたとしても残存歯部の頬側の骨量を考えるとよい結果は
 得られないことが推察できます。このような場合、左側に固定源を作ることで
 義歯の脱離と沈下を防がなければなりません。しかし、この計画は残念ながら
 保険診療で行えないため、できる限り費用がかからず、年齢的な問題を考慮し、
 なおかつ患者が満足できる治療計画を考えなければなりません。
 また今後、残存歯がすべてなくなったときのことを考慮し、リカバリーが容易に行える
 ようにしておかなければなりません。故に右上第二小臼歯は予知性が低いため
 戦略的抜歯処置と同時にインプラントを埋入し、左側臼歯部にインプラントを
 植立しました。

             治療後口腔内とパノラマレントゲン
    
   
  
左側に固定源(磁性アタッチメント)を作ったことにより義歯の安定は勿論、
   義歯床を小さくできたことにより装着感も良くなります。 
   ※治療後6年経過で再介入を行うことはありませんでした(6年目で御逝去)

 【 症例:60代女性  主訴:右上が痛い、義歯が使いにくい 】 
       
初診時口腔内写真とパノラマレントゲン 


 
初診時主訴部所見は右上小臼歯の根破折がみられ、上顎の部分義歯は片側
遊離端の義歯であり、義歯の支えとなっている歯は過負荷を受けている状況と
思われる。また咬合位も安定しておらず、その結果、咬合バランスの不具合による
機能障害もあると判断しました。
 治療としては、患者は義歯に対するコンプレックスもあったため、この場合、
インプラント治療が最善の選択肢であります。 
        処置後 口腔内写真とパノラマレントゲン


 
歯列弓の保全と咬合位を維持する臼歯部の咬合の確立から
 機能回復が得られ、予後においても良好な状態を維持しております。
 治療後7年経過(2021年) 非常に安定した口腔内を維持しております。
 
 
 
ほんの一部の症例しかご紹介しておりませんが
 歯科医療行為の根幹とすべきものは
 自由診療だから、保険診療だからどうこうという問題より
 
どんな治療行為も愛情を注ぐことではないかと思います。
 
 保険診療を技術的に確実かつ丁寧に行えないのであれば、
 自由診療において満足な治療(結果)が出来るわけありません。
 
 歯科医療は聖職であり、Scient(科学)でもあり、時には
 Art(芸術)でもあるのです